引越

四月二九日、昭和の日。少しだけ田舎に引越した。助っ人が多すぎて断って周ったほどなのに、いろいろあっって少数精鋭に甘える運びとなった。入社したてで、連日昼飯も食わず、駆けずり回って見つけたのがこの部屋だった。下が名の通った食堂なこと(お味はいまいちだが)、当時甲子園まで進んでいた野球部のグラウンドが目の前にあることが気に入った。建物の古さも、部屋いっぱいに差し込む夕日も、全部お気に入りだった。ただ、ぶらんきぃだけを頼りに首里から移り、たくさんの人に世話になってきた。何十名、この部屋で一緒に過ごしたろう。引越は夜までかかり、最後に「お世話になりました」と礼を言ってブレーカーを落とした。私だけの大切な場所だった。ここにいれば安全だった。新居はそういう場所になるだろうか。


我が家の数少ない家電、冷蔵庫と洗濯機は、だいちゃんと智ちゃんが運んでくれた。車への積み込み方が芸術的で感動! 香奈子は衣類をパキパキと四階から一階に下ろし、嵐のように去っていった。その他は二人で。終わるころには手も足もぶるぶるだった。みんな優しいな。ありがとう。


新居でお寿司をとってみんなで食べた。最初の贅沢だ。翌日は仕事なのに、慣れない部屋で珍しく寝付けなかった。といっても十五分ほどで眠ったけれど。いつもは数秒で寝るから一応珍しかった。これからどうなるんだろう。風も匂いも気持ちいいが、不安も大きい。