小さい頃からずっと夢なんかなかった。夢も希望もないって意味じゃなく。何故大人は、将来の夢を問う時職業の事を聞くんだろう。十代の頃初めて具体的に持って、未だに持ち続けている唯一の夢は抱えきれないくらいの愛情と敬意と感謝を持って親を看取りたい。それだけだった。私が何に対しても基本的に無気力なのは、生きている間に何かを成したいというものがないからだ。それを恥ずかしいことだとも思っていない。私は、自分が大きな流れのほんの一部であると自覚することをやめたくないし、自分を特別な存在だと思いたくない。特別な存在というのは、子供の頃誰もが天動説だったような感覚だ。

この歳になって思うことは、私は自分の価値基準と判断を信じ、ちっぽけな存在として極力星に迷惑のかからないよう、ひっそり笑って笑い続けて死にたい。夢といえばそれが夢だ。