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パーントゥ

旅をする

念願かなって宮古島の伝統祭祀、パーントゥへ行ってきた。



仮面とつえを手に、泥まみれで追いかけてくる「異形の神」。

夕日が西の空に傾き始めたころ、集落はずれの井戸「ウマリガー(生まれ井戸)」から出現した“3匹”のパーントゥは集落に侵入。その姿を見つけた子供たちの「パーントゥが来た!」の叫び声を合図に、住民や観光客らは一斉に逃げ回った。キャーンと呼ばれるつる草(シイノキカズラ)を体に巻き付け、全身真っ黒な泥まみれのパーントゥは、悪臭を放ちながら「幸せの泥」を人々や建物、駐車中の車両に至るまで塗りたくり、厄を払って回る。集落には日が暮れるまで子供たちの悲鳴や歓声が響き続けた。

上記は昨年書いたもの。

実際に見てみると予想通りの武装したマスコミの山。出発直前に一眼レフが故障し泣く泣く置いてきたが、その偶然に感謝したほど。ウマリガーから歩いてくるパーントゥを待ち構えるのはずらりと並んだカメラと三脚。そのまま全員が走って後を追う。始まったとたんあまりの滑稽さに吹き出した。「大人は"絵"にならないので、あまり近づかないように」と注意を受ける住人や観光客。幼い子どもに近づき顔に泥を塗りたくるとカメラの円陣が一瞬で組まれる。前職の頃もっともモラルが低いに違いないと思った芸能系マスコミのようだった。住人を気遣いつつ遠くから望遠で抜いたりするんだろうと思っていたのにまったく逆だ。既に島尻の祭ではなかった。観光客を呼びつつ情緒を残すには公私共に撮影を一切禁止するほかないと思う。それでも、見知らぬ集落を叫びながら日が暮れるまで全力で逃げ回るなんて経験なかなかないだろうから、それはかなり楽しかった。