金は私が生まれたときには既にあって、それさえあればなんでもできるんだと漠然と覚えた。買い物をしていてふと思う。日本に居るときは気を抜くことができる。他の国で過ごすときに比べて、無防備でいても危険が少ないから。

なんでだろう。

日本人が優しいからとか紳士だからとかじゃなくて余裕があるから。経済的な余裕が気持ちの余裕につながる。

でも金ってなんだろう。

それだけが大量にあっても何もできない。地球上に私一人になってしまったら、どんなに大枚が転がってようが役に立たない。食えないし。金そのものには価値がないのだ。そのものに価値があると考えずに、物々交換の中間に入るもんだと思うと分かりやすいと思った。日本が安全なのは余裕があるから。金があることで、衣食住に余裕が生まれる。金を間にはさんで物々交換しながら暮らしている。

この間にある金を取ってみたらどうだろう?

私たちは強奪にも似た取引をしてる。海と山であったとしたら、ちっぽけな魚1匹やるから山の幸を全てよこせと上品に言う。貧富の差はそのジャイアニズムとそれに甘んじる心が引き起こしてる。笑いあってお互い助け合おうぜって言えれば幸せなのに。そのフェアじゃないやりとりを見ない振りする。自分が直接やってるわけじゃないから。見ない振りができたとき、私の目線は同じ高さじゃなくなって、少しずつ意識が狂い始める。ゆいまーるはもうない。