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視点が偏るとみえなくなる

不快なものってのは、それが私的偏見だったとしても、おらの見当違いだったとしてもとにかく不快。生理的に受け付けないことってあるのだ。おらが何かを不快に思うのも仕方なければ、誰かがおらを不快に思うのも仕方ない。同じように返還を願うのに何故こうもゾッとするのか。再開発再開発って、そも追い出す理由は商用地として使える土地が惜しいからなのか。タイムスの社説は、そんな嫌な書き方しないのに。


「観光とけいざい」
沖縄のリゾート、観光の動きを伝える専門紙。ルポを中心に沖縄の動きをタイムリーに報道していますだそうだ。

連載コラム、渡久地明の「視点」

辺野古の二本の滑走路は、撤退の象徴のVサインなのだ。Xでは縁起が悪い。今後二、三十年以内に米軍は沖縄から全面撤退し、辺野古はリゾート地になり、滑走路には観光客を乗せたRACの三十九人乗りのプロペラ機が発着するようになる。

ナンバー698

返還される土地を活用して沖縄全体の効率を高めるような再開発を盛大にすべきだ。沖縄への大規模な政府支出は日本の景気に好影響を及ぼす。遠慮は無用だ。

ナンバー700


こういうテーマの紙面で返還について語られても、それは観光と経済から見た視点になることなど分かっているし仕方ないのにそれを踏まえた上でさらに追い討ちをかけるような言い回しとその根底の自信に満ちた勘違いがいやだ。Vサインてなんだ? どう解釈したらそうなるんだ。こういう言い方が、食い止めようと必死で動いている人たちを逆なでするんじゃないかといった配慮はできないもんだろうか。この自信に満ちた勘違いによって使われる単語にゾッとする。「効率」とか「再開発」を「盛大に」とか「好影響を及ぼす」から「遠慮は無用」とか。景気の他に、考慮すべきものは遠慮するものはないのか。やりかたにしたって、最もお金がかからない方法と最も自然を壊さない方法は違う。北は犠牲になるべく用意された土地ではない。例えば観光ビーチじゃない海は死んでる土地だと言うのと同じ理屈だ。全然死んでませんから。客が集まろうが金になろうが、観光地化した人工ビーチのがよっぽど死んでいる。辺野古も米原も住人が必死になって止めようとしてる。知ってるからなのに。もう十分でしょ。開発とかいいよ。どんだけ貪欲なのよ。


少し前までは、「基地の雇用によって経済が潤っているのもまた事実」なんて言葉をほほう、おらはまだまだお子さまですねと思って聞いてみたけど。考えてみればそんなのいい訳だ。だって金なんかに代えられることじゃない。雇用があったって、多少賃金が高くたって、そこで労働することを選ぶってことは直接じゃなくても自分が何に荷担することになるのか考えてからにして欲しい。飯つくってようが、荷物運んでようが、関係ない。荷担だ。確信犯ならいいけどさ。善意に満ちた顔で「人殺しはいけません」なんて言う気はないけど。だって生きるって食いあいでしょ。でもそれに荷担してるくせに善意に満ちた顔で「人殺しはいけません」なんてしょっちゅう言うからもうなんだかなぁって思うよ。人間はまさか自分に非があるなんて、思いもつかないようにできてるんだきっと。


お前は職も無く食う物に困るほど貧しくなったことがあるのかと言われればない。金なくて飯食えなかった時代は誰にもあるようにあったが、小麦粉舐めながらでも安ワインくらいは飲めてたからその程度。甘っちょろいこと言ってるんだろうけど。生きるってもっと難しいんだろうけど。跡地で無理に経済潤おさなくても、あんな広大な地があればたくさんの木が植わるよ。野菜も果物も育てられるよ。汚染されてなきゃさ。紙切れよりずっといい。