ムーチ―

旧暦の十二月八日は「ムーチー(鬼餅)の日」。サンニン(月桃)の葉で包んだ餅を蒸し、厄払いする日。今年も生姜入りの餅をいただいた。サンニンは殺菌・消炎作用も高くて上等。匂いも良く、乾燥する季節は風呂あがりにこれの蒸留水を使っている。この頃訪れる寒さを「ムーチービーサ(鬼餅寒)」と言う。今年は七日の土曜日だった。きっちり寒くなるもんだから、昔の人の言うことってほんと偉大だ。その日、いつもの四人で佐敷へ温泉旅行した。沖縄がすっかり寒くなる日に丁度よく行けるとは嬉しい。二ヶ月ぶりの浴槽を満喫。


年末から好調すぎる。「幸せだな」なんて日はたまにでいいのに。たくさんの人に、しかも日に何度も思わされっぱなし。口にすれば、下手すると思うだけで何でも簡単に叶いそうな気さえする。これはさすがに怖い。山もあれば谷もあるわけで。もう少しゆっくりでいいよ、とつい思う。仕事納めから未だに飲みっぱなしで、予定もずっと埋まってる。どうなるんだろう今年は… このままどこまで昇りっぱなしなのか見ものだ! 私を取り巻く多くの人たちに今日も感謝。

民話
昔々、首里金城に兄妹がいた。鬼となって大里の洞穴に住み着いた兄は人を食らうと言う。様子を見に行った妹は、鍋にハジチのある手が炊かれているのを見て、兄殺しを誓う。妹はサンニンの葉に餅を作り、兄にすすめながら「女には餅を食べる口と、鬼を食べる二つの口がある」と脅し、崖から落として鬼を殺した。(琉球国由来記巻12より)
注:ハジチ(針突) 沖縄の女の手に施された刺青。成女儀礼で、南島女性のシンボルでもあった。明治32年に政府より禁止令。


首里金城町の御嶽(ウタキ:拝所)に死んだ鬼の角を葬っており、そこはホーハイウタキと呼ばれて鬼餅伝説の拝所と知られている。この鬼を退治したのが旧暦の十二月八日なので、沖縄ではその日を厄払いの日として鬼餅を作って食べるようになった。