ポケットの中の赤ちゃん


講談社児童文学新人賞受賞作品

ポケットの中の赤ちゃん


児童文学と侮ってはいけない。ストーリーは、「私」が「ある子ども」と過ごすことによって、「あるコト」を知っていくというもの。「大切なものは目に見えない」 サン=テグジュペリの名作「星の王子さま」と同じメッセージが同じ形で散りばめられている。何が違うのかといえば、背景が昭和日本だということ。ママのギンガムチェックのエプロン、おやつの牛乳とカステラ、砂遊び、パパが仕事帰りに買ってくるシュークリーム、四角いカバーをかぶった天井の蛍光灯、仏壇にお供えするご飯、出てくるもの全てが懐かしい。ほんの数日の出来事ですが、本当に身近な冒険で、自分の家も公園もまだまだ知らないものがたくさん詰まっていると信じられた。現在絶版のこの本。成人してからどうしても見たくなり父に話したところ、図書館で探してコピーを送ってくれた。思い出の一冊。